劇場版ポケットモンスター キミにきめた!感想とか

どうも、こんにちは。

ポケモン映画20周年ということで公開前からだいぶ話題になっている作品ですが、若干遅れて私も観に行きました。

この映画単体としても面白かったと思いますが、ポケモン20年の歴史を感じる小ネタが作中の随所に散りばめられているので、私が気付いた点について解説とかも含めて以下、そこそこネタバレ込みで感想とか考察とか。

もう映画観た人、観てないけどとりあえず内容知りたいって人だけ読んでください。

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キャラクター

・サトシ

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不動の主人公。

今回、作画がサンムーン準拠なのか輪郭が丸っぽいのとたまに眼の焦点が怪しかった気がする。

一応現行で10歳の少年のはずなんですが、旅立ちということで序盤は頭身が小さく幼いかんじで声もちょっと高めであった。

サトシはシリーズによって若干性格が違うんですが、今作では基本は強気なのにすぐ凹んだりお母さんからの電話を恥ずかしがったりとより人間的な等身大の10歳の少年という印象。

 

・ソウジ

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タケシ的なポジションのイケメン。

ポケモン博士を目指して全国の伝承について聞いて回っている。

ポケモンの回復から料理まで万能なイケメン。

公式サイトには「忠告しておく」が口癖と書いてあるが、実際は「〜シタマエ!」とよく言っているのでライト博士に憧れているのかもしれない。

 

・マコト

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カスミ的なポジションのシロナ様の御息女的な女の子。

水着があんまりイケてない。

親の七光りが嫌で自分の力で有名になろうと家出して遠い地に来て地道に頑張っている。

 

・クロス

 

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最強のポケモントレーナー(笑)を目指すライバルポジションのやつ。

クロスって何?なんで前髪クロスしてんの?てかどうなってんのそれ?

「勝たなきゃゴミだ」「弱者はクズだ」という信念の元に個体値の低いポケモンを捨て、負けたトレーナーを煽っているが多分カイジ1巻の利根川の演説の影響を受けている。

彼が最強のトレーナー(笑)である所以は「俺の最強の炎ポケモン」と自負するガオガエンに対して、ターン制バトルのルールを無視して序盤は攻めず相手の攻撃を受けさせ、わざと猛火を発動させて一気に攻めに転じるという戦略を取ったにも関わらず猛火適用外のじこくづきやクロスチョップといった技を使っているからである。

また、どう見てもゴーストタイプっぽいマーシャドーに対してルガルガンにタイプ一致でもないブレイククローをわざわざ指示する無能。

原作アニポケにおけるサンドにギプスを嵌め水をぶっかけて戦闘訓練をしていたトレーナー、弱いからとヒトカゲを捨てたトレーナーなど何人かの役割を混ぜているのでシゲルのポジションというわけではないと思う。

 

ボンジイ

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老いた前作主人公感を漂わせる謎の老人。

この人ラピュタの序盤で見たことある!

「ホウオウを追ってもう二十年」というセリフがあるのだが、年齢から考えるとわりと最近追い始めている。

少なくとも30代くらいまでは別のことをしていたはずなので、主人公として冒険した後ジムリーダーになってたりするのかもしれないが特にそこは語られない。

スイクンはミナキ、ルギアはジラルダンと固執しているキャラクターが居たがホウオウはこれまでノータッチだったのでとりあえず用意しましたというだけなんですかね?

この物語の黒幕と言っても良いかもしれない(?)

トーリー

基本的にはサトシの旅立ちからのアニポケの焼き直しなんですが、初代構成作家、脚本家の故首藤剛志氏がポケモンの最終回として予定していた話や没になった映画3作目の内容を入れていて、そこにホウオウを絡めたかんじですね。

100分弱の時間ではとても描ききれないほど内容が濃いです。

なのである程度は「もう知ってるよね?」という説明不足なかんじで、この映画だけパッと見せられた人には物足りなく感じるかと思います。

また、ポケモン映画恒例のオリジナルの舞台設定ではなく我々が慣れ親しんだカントー地方なので、いつもある観光シーンが無い分序盤の映像にそれほど派手さが無いかもしれません。

強いて言えば、タマムシシティがとんでもない大都会になっていた。

首藤氏がアニメポケモンにおいて設定したメインテーマは「人間とポケモンは本当に共存出来るのか」で、最終回に向けて「もしポケモンが人間の言うことを聞かず反逆したら」「もしポケモンが突然世界から居なくなったら」というのを描く予定だったそうですが、今作ではスタッフクレジットにも一部脚本とあるようにそこは裏テーマというかわかる人にだけわかる程度の描かれ方で、本来のメインテーマはサトシとピカチュウの友情で良いと思います。

原作アニポケとも若干違う世界観で、三犬あたりは伝説のポケモンという位置付けではあるもののマコトが「私スイクン大好き〜!」とか言っちゃうくらいのちょっと珍しいポケモンくらいの格になっていてトレーナー達は知っているのが常識みたいですね。

また、ホウオウは選んだ人間に試練を与え、それを乗り越えた者を虹の勇者として認めるとかいうドラクエのキャラクターっぽい謎の設定にはなっていますが、わりと序盤からサトシもホウオウを目指して冒険しているのでわかりやすく最終目標ってかんじですね。

しかしこれだけ要素を詰め込んだ上で新ポケモンマーシャドーまで出してしまったわけで、やはり尺が足りないと言わざるを得ないです。

登場キャラクターも最低限にして省けるところは頑張って省いていたとは思うんですが……

まあ、完全版の円盤化に期待ということで。多分無いですけど。

そもそも首藤氏の脚本が重すぎて、ミュウツーの逆襲のときも尺が足りなくなって後から完全版を作ったりしましたが、今作もストーリーを消化するのにだいぶ駆け足でした。

ただ、逆にテンポも良いので久々に純粋にもう一回観たいと思える作品でした。

私の中でポケモン映画はミュウツーの逆襲、水の都の守護神、波導の勇者のトップ3だったんですが久々にそこに食い込むと思います。

というか観終わったときの感動は間違いなく歴代トップではあるんですが、ポケモン20年の歴史込みでの話なので、それをこの映画の評価と言って良いのかどうか迷うところです。

小ネタ的なやつ

・伝説の第1話

最序盤でサトシが着ている寝巻きだったりオーキド博士のセリフだったり、かなりの再現度で第1話を焼き直しています。

久々にこれが観れただけでもう満足というくらい感動しました。

ちゃんとゼニガメを持っていく手がシゲルだったり、ピカチュウのデザインも気持ち丸かったり。

 

・恐怖のオニスズメ軍団

サトシが投げた石(ボール)がオニスズメに当たり、その報復としてオニスズメの群れに襲われるという第1話の展開。

本来はここでオニスズメから逃げる為にカスミの自転車を借りパクしたりするんですが、都合上走って逃げることになります。

しかし私が思ったのは……なんかオニスズメ多すぎね?

アニメだとせいぜい二十匹くらいだったと思いますが、今作では数百匹のオニスズメが龍のように畝り襲いかかってきます。

劇場の巨大なスクリーンにおいて演出する上で数を増やした方が見栄えが良くなるのはわかりますが、さすがに一匹が石ぶつけられただけであの数が襲ってくるのは獰猛すぎると思うんですが……

下手したらオニスズメの群れ一つで村一個潰されるくらいのパワーがあります。

ポケモンを持たずに道を歩くのがどんなに危険かということですね。

 

・いとをはくだけで戦い抜く虫

アニメ同様サトシが初めてゲットすることになるキャタピーですが、バタフリーに進化するまでいとをはくしか使う描写がありません。

弱い、弱すぎる……!

野生のカイロスに対して「虫には虫ポケモンだ!」と言ってキャタピーを立ち向かわせますが、あの巨大なアゴでガッチリいかれたら死んでしまいます。

 

・サトシの冒険ルート

今作、オープニングのめざせポケモンマスター!が終わるとタマムシジムに挑戦しているシーンに飛ぶんですが、ここでサトシは「これでバッジは三つ目です」というようなことを言います。

マサラからスタートするとタマムシは本来四つ目のジムになるはずなんですが、それではサトシはどこのジムを飛ばしたんでしょうか。

ゲームではロケット団に占拠されているヤマブキも本来通れるはずなので、候補はニビ、ハナダ、クチバ、ヤマブキとあります。

逆に言えばこの四択から二つのジムを攻略したということですが、恐らくニビとハナダをスルーしたんでしょう。

今作をサトシがタケシやカスミと出会わなかった別の世界線として見ると、この二人に会わないようにしつつタマムシまでにバッジを二つ取るとしたらそうしか無いので。

ただ、ピカチュウキャタピーだけでここまで来れたのかと言われると疑問ではあります。

実際は描かれてないだけで普通にタケシ、カスミを倒したのかもしれない。

 

・お散歩中のエンテイ

ただ散歩しているだけなのに、色々なトレーナーに攻撃されて散々な目に合うエンテイさん。

野生ポケモンを引き連れて洞窟に雨宿りに来ますが、その面子がパラスだったりニドランだったりなんか可愛い。

というかパラスはエンテイの横にいて大丈夫なの?

 

・タイプ相性

サトシとマコトのバトルにおいて、サトシはピカチュウアイアンテール、マコトはポッチャマにドリルくちばしを指示します。

なんで二人して相性いまひとつの技を選択したのか。

それは彼らがまだまだトレーナーとして未熟だということでしょう。

 

・歴代メインポケモン勢ぞろい

今作の主人公三人のパートナーとなるポケモンですが、ピカチュウルカリオポッチャマとこれまでのポケモンというコンテンツに多大な貢献をしてきた面々です。

ピカチュウはもう説明不要だと思いますが、ルカリオは三世代後半の映画の単なるゲストキャラでしたがポケモンサンデーで「ルカリオ部長」というキャラクターを与えられ、スマブラにも出演するなど準主役級の出世を果たしました。

ポッチャマはアニポケが一番熱かったとよく言われるシンオウ編の顔であり、ピカチュウとのコンビが一番描かれたポケモンでもあります。

今回の映画を観て「やっぱりピカチュウの隣はポッチャマだな」とあまりシンオウ編のアニメを見ていない私でも思う安定感がありました。

あとは終盤で進化するリザードン

アニメ本編でも長らくサトシのエースポケモンとして活躍し、歴代御三家でも最も人気の高いポケモンではないでしょうか。

 

・アニポケのイワーク最強説

イワークと言えば、赤緑でヒトカゲを選んだプレイヤーやピカチュウ版では序盤の壁となるポケモンではあるんですが、ポッポと同等の攻撃力、無駄に高い素早さなどが足を引っ張りゲームではかなり弱い部類のポケモンです。

しかしアニメのイワークは頼りになりますよ!

ロケット団が給料三ヶ月を注ぎ込んだびっくりドッキリメカを粉砕したり、ときには落ちてくる岩石を受け止めたり、崖を越える為の橋にされたり、その巨体を活かしてそこそこの強キャラとして描かれます。

今作でも暴走するイワークを止めるのにサトシ達は大変苦労することになります。

ゲームだと最初のポッチャマハイドロポンプの時点で多分昇天してますけどね。

 

・意味深なディグダ

初代のアニメポケモンにおいて首藤氏が最終回に向けてのターニングポイントとして用意したのが31話のディグダがいっぱい!という回です。

この話では工事の邪魔をするディグダを排除する為に雇われたトレーナー達がボールを投げますが、自分のポケモンがボールから出てこなくなってしまいます。

昔からディグダ達が守ってきた神聖な土地を勝手に荒らそうとする人間に対して、トレーナーの手持ちのポケモンも抵抗するのです。

ここまでサトシの冒険物語を描いてきたアニポケですが、この31話は先に述べた「もしポケモンがトレーナーの言うことを聞かずに反逆したら」の始まりの話として描かれました。

一方で、イワークが通った跡はディグダ達の住処となるという図鑑説明があります。

今作でもイワークとの戦闘の後にディグダ達が通るシーンがあるんですが、これはただイワークとの絡みだけではなく首藤氏の裏テーマの象徴として出てきたのかなと個人的に思いました。

 

・ソウジの想い

雨の中捨てられ、瀕死の状態のヒトカゲを連れてきたサトシに対してソウジは激昂します。

また、誤解が解けた後はヒトカゲを懸命に助けようとします。

後に語られることですが彼は自分のせいで愛猫(?)のレントラーを殺してしまったという過去から、ポケモンを助けたいという気持ちと身勝手なトレーナーに対する怒りを強く持っていて、洞窟のシーンはソウジというキャラクターを表す良いシーンだと後からわかります。

タケシの代わりではなく、新キャラクターソウジという一人の少年を短い時間でよく表現しています。

 

 

・クロスという男

ポケモンバトルに負けたのに力技で虹色の羽を強奪する、生身でポケモンと戦うなど最強のトレーナー(笑)から終盤は最強のトレーナー(物理)に変貌します。

最後まで観ると、彼も本当に悪いやつではなかったんだろうなという気もします。

中盤で弱気になったサトシは「ピカチュウなんて要らない」と言い放ち、マーシャドーの幻影に取り込まれて改心しますが、あのままだったらきっとサトシもクロスのようになっていたことでしょう。

 

・ホウオウ伝説

ゲーム本編と若干違うホウオウ伝説。

かつてエンジュシティのカネの塔(ゲームにおける焼けた塔)を止まり木としていて、落雷によって塔が火災にあった際に名もなき犬たちを蘇らせてどこかへ飛び去って行った。

それ以降は気まぐれで人々の前に現れ、気に入ったトレーナーには虹色の羽を授け、虹の勇者になる為の試練を与える。

正しい心を持ったトレーナーのみが道を開き虹の勇者としてホウオウに会うことが出来る。

という、だいぶファンタジックなかんじに仕上がってます。

余談ですが、三犬が徘徊してるのは蘇らせてくれたホウオウに恩義を感じて追いかけているからみたいなのどこかで読んだ気がするんですが、アニメにおける三犬はスイクンは清い森を守る存在として、ライコウはかつて人間と共存してたりと勝手に生きてます。映画のエンテイアンノーンが作り出した幻っぽいのでノーカンですけど。

今作はむしろホウオウを追っかけてるっぽい描写だったんですが、恩義を感じてる云々が公式設定だったか二次創作の漫画だったのか忘れてしまった。

少なくともポケスペではその設定だった気もする。


 ・眠るオコリザル

ピカチュウの電撃に驚いて出てきたオコリザル達に何故か胴上げされるサトシ達。

トランセルに糸をはかせたままサトシがグルグル回ってオコリザルを拘束したり、ここのシーンはアニメ初期のノリっぽくて大変よろしい。

また、ここまでいとをはくだけで来たトランセルが進化してバタフリーになります。

バタフリーに進化したんだな!」とサトシは喜びます。

そして「よし、バタフリー!ねむりごなだ!」とオコリザルを眠らせるよう指示を出します。

このときのバタフリーの顔が若干困ったように私には見えたんですが。

バタフリーは赤緑ではレベル17、ピカチュウ版で15、三世代以降で13でそれぞれねむりごなを覚えます。

つまりいずれも進化してしばらくレベルを上げてからの話です。

まして彼はここまでいとをはくだけで来てるわけですから、内心「え、自分そんな技使えるん!?大丈夫なの!?とりあえず羽バサバサして……出た!なんか粉出たけどこれで良いの!?」という心境だったことでしょう。

まあ、それは私の気のせいで、進化して新たな力を得たバタフリーのやる気に溢れる表情だったのかもしれません。

そして余談ですが、オコリザルの特性は「やるき」なのでねむりごなで眠らせることが出来ません。

オコリザル達は空気を読んで寝たフリをしてくれていただけなので、その直後ロケット団が通った際にはちゃんと起きています。

 

リザードンのきりさく

今作、サトシはリザードンにやたらきりさくを指示します。

初代赤緑をプレイしたことがある人間からするとリザードンのきりさくは最強なので間違いないんですが、まあ、あとは映像が映えるので多用しやすいんでしょう。

せっかくならもう一つの最強技である炎の渦も使ってほしかった。


・結局、マーシャドーとは

恐らく首藤氏の脚本におけるティラノサウルスであり、それの意味するところは「ポケモンではない得体の知れない何か」だったはずです。

それだけに、ボンジイが「幻のポケモンマーシャドーじゃ!」とか言い出したのが少し残念です。

メタ的な括りではゲームでも貰えるしポケモンでも良いですけど、少なくとも作中では「正体がわからない何か」でいてほしかった。

正体も謎なら行動も謎なんですが、とりあえず作中でボンジイが説明していることは、ホウオウが選んだトレーナーを観察し、試す存在であること。

虹色の羽が悪しき心に染まった際に物事を正すということ。

また、そのときは羽から力を得てポケモン達(トレーナーの手持ちを含め)を操り、人間を排除しようとする。

マーシャドーが操ったポケモンの技を受けてサトシは存在ごと消えてしまうんですが、イシツブテエナジーボールっぽいものを撃ってたり、マーシャドーの操るポケモンの技は普通の技とは違うと言って良いと思います。

ミュウツーの逆襲の終盤のようにただ技を受けたサトシが死んでしまったことをマイルドに描写しているのではなく、サトシの視点で見ると急にポケモンが世界から消えてしまった。

ポケモンの居ない世界に飛ばされてしまったんじゃないかと思います。

中盤で「ピカチュウなんて要らない」と言ったサトシに対してマーシャドーは一時的に意識をポケモンの居ない世界、科学技術が発達した世界に飛ばしますが、ここでサトシがピカチュウを追い求めなかった場合はそのままあの世界で一生暮らしていたのかもしれません。

最終的には改心したクロスなどの協力もあってマーシャドーから羽を取り返しますが、もしあのままだった場合マーシャドーが何をしたかというと、全ての人間をポケモン世界から消す=ポケモンの居ない世界に飛ばすってことなんじゃないかなと思うんですよね。

これは首藤氏のメインテーマである「人間とポケモンの共存」というのを知っていたので私はそう解釈しただけなんですが。

 

 

ロケット団

私の中でポケモン映画と言えば最後にロケット団が「なんだかとってもイイかんじ〜!」で終わるので、今作も大体それっぽく終わって満足です。

というか、これだけやること盛りだくさんの脚本でロケット団はいつ絡んでくるのかとハラハラして見てたら結局何も無く終わりましたね。

これ以降、ロケット団はサトシのピカチュウ固執するようになったのであった……みたいな。

完全なゲストキャラで、正直出てこなくてもストーリー上何も問題無いんですが、サトシ以外全部新キャラっていうのも……ねぇ?みたいな会議が偉い人の間であったことでしょう。

 

・バトルしようぜ!

今作のサトシはこの言葉と「キミにきめた!」をよく言ってます。

初期のアニポケでもよく言ってはいたんですが、より強調されていると思いました。

サトシにとってバトルとは、終わった後には友達になれるもの。

昨日の敵は今日の友。喧嘩しても、仲直り。

そんなサトシというキャラクターを象徴するセリフです。


 ピカチュウが喋った!

物語終盤でピカチュウが喋る件について物議を醸していますが、そもそも初期のアニポケでピカチュウを喋らせる予定でいたところを大谷育江が「ピカ」「チャ〜」で感情を表現出来たので見送ったという経緯があります。

また、首藤氏の最終回に向けて人間とポケモンの橋渡しになる存在は必要だったので人間の言葉を喋るロケット団ニャースが代わりに生まれました。

今作の終盤でピカチュウが喋るというのはそれとは若干意味が違っていて、サトシとピカチュウの心が本当に通じ合ったことの証明みたいなものだと思います。

アムロとシャアがニュータイプ世界で会話するように、サトシとピカチュウは精神世界で会話が出来たよ、という表現で、それが視聴者に伝われば別に喋る必要は無いと思うんですが、それをやってしまうと理解力の無い子供が何やってるかわからない状態になり一番のメインテーマであるサトシとピカチュウの友情の部分が伝わらないと判断してのことでしょう。多分。


・エンディング

前述の「バトルしようぜ!」というセリフで占めて、オレンジ諸島編オープニングのライバル!がエンディングで流れたら多分私は感動してぶっ倒れたと思いますがさすがにそうはならなかった。

オープニングのめざせポケモンマスター!の歌詞の中に「夢はいつか本当になるって誰かが歌っていたけどつぼみがいつか花開くように夢は叶うもの」というフレーズが出てきます。

そしてライバルの歌詞の最後は「夢のつぼみはつぼみのままだけど少しずつ膨らんできてるそんな気がするよ」で終わるので、少し成長したけどサトシの長い冒険はまだまだ続くよ!っていう熱い終わりになると思うんですけど。

まあ、それはそれとして。

歴代映画でも曲としては人気の高い10作目ディアルガvsパルキアvsダークライより、オラシオンのテーマがエンディング曲でした。

新たに歌詞が付いてるので、まあ新曲と言えば新曲。

スタッフロールが流れている間、アニメシリーズの歴代レギュラー陣を振り返るというのがなかなか熱い演出ではあるんですが、別に今回で最終回というわけではないですよね。

もうポケモンが終わってしまうというのならこのエンディングしか無いと思いますが、今回のサトシと彼らが出会ったサトシは別の世界線なわけで、それなら今回のサトシの後日談的にカントーのジム制覇の様子とかでも良かった気もしますが。

後は逆に、初代アニポケの映像をダイジェストとか。